我が家のSarraceniaの栽培方法

 

 

 私は食虫植物はハエトリソウから始めましたが、その次に手を広げたのはサラセニアでした。サラセニアは日本と同じ温帯性の植物なので栽培方法は容易であるといえるでしょう。私が手がけているサラセニアは交配種が多いのですが、理想的な栽培法は参考書や他サイト等に譲りまして、私の実際に行っている栽培法を以下に示します。

〜入手〜
夏は店頭販売から、通信販売は1年中入手可能になります。最近は店頭販売でもいろんな種類を見かけます。よく見かけるのはこちらの地域ではflavapurpurealeucophyllaです。まれにcortiiが見られます。私はJCPSか、山田食虫植物農園や関西集会からの入手が多いです。かつては一正園から入手していた事もありました。

〜入手後の手入れ〜
 入手後は、買ったときのままにするのではなくて、植え替えした方が良い場合があります。入手時の用土を見てみます。たいていは砂利植えが多いのですが、ピートモス単用で植えられている場合があります。また植えられている鉢も底穴がないプラ鉢ということもあるのでこれでは栽培しにくいので栽培用に変えてやる必要があります。
 まず、入手して植え替え用の用土は水ゴケが一番だと思います。私の経験では水ゴケが一番活着がいいです。水ゴケはなるべく繊維が長いものを選ぶのが理想です。鉢は素焼き鉢、プラ鉢、駄温鉢でもかまいません。まず、根についている土などを全部取り除きます。無理に土を落とすことはせずに、水が入ったバケツに根部を入れ、根を揺らすと自然に用土が取れていきます。水道の散水ノズルを使って水を根に当てて用土を外す方法もあります。次に水ゴケはたっぷり水を含ませ、水ゴケを根の周りに被せていくようにします。ただし、水ゴケの繊維の方向はなるべく縦に繊維の方向が向くようにします。これは水はけを良くする事や、根を伸びやすくするためです。そして用意した新しい鉢に植え込みます。私の場合は水ゴケはやや固めに植えてます。倒れそうなものは支柱をつけて、最後に水をたっぷり与えて通常管理(以下の通り)にします。

〜置き場所〜
 ほとんどの種類で、1年中戸外に出しています。サラセニアは我が家では日光がよく当たり午後3時以降は日が遮られる場所に置いています。雨も良く当たります。気をつけているのは雨は当たっても、雨による泥はねに合わないようにしています。これは泥はねが鉢に侵入して病気を防ぐためです。私の場合、鉢と腰水容器を地面から最低30cm以上の高さになるようにセッティングしてます。

〜水遣り〜
 水遣りは腰水栽培にしています。本当は毎日、手潅水するのがいいのですが、手間もかかるし、水遣りを忘れたら枯死する心配もあるので腰水にしています。ただし、腰水の水深は水盤によって異なりますがおおむね約1〜3cmです。ボウフラが湧いたりした時は水盤の水を入れ替えています。

 


サラセニアの栽培風景

 

〜冬越し〜
前述の通りほとんどの種類が戸外で栽培されています。こちらの冬はほとんど毎朝凍ってしまうのですが、春になるとちゃんと生育するので戸外に置いたままです。ただし、psittacinaのように暖帯性のサラセニアは凍らないように軒下に置くなど保護をしてやります。砂利植えにしている株は凍結による株の浮き上がりには気をつけます。鹿沼土は霜柱が良く立ちします。また、凍結がひどいと素焼き鉢は割れてしまう場合もあります。

〜増殖〜
冬季、親株でバルブの密度が高い株は株分けができます。方法はバルブとバルブの間の短い茎の部分に指を入れてググッと力を入れると簡単に株が別れます。ちょうど、蘭のシンビジュームを株分けする要領です。各々のバルブ数は最低2〜3つ付けるようにしています。余りバルブ数が少ないと今後の生育に影響が出るからです。無理に株分けはしないことです。間違って1芽だけで株分けしてしまい、根もほとんど付かない状態でもバルブが半分ほど埋まるぐらいに植え込むと春になると発根します。フラバ等は大株仕立てを目指した方が観賞価値が高まりますので、芽数は多めにした方が良いでしょう。

増殖は種子から出来ますが、親株になるにはやや手間ひまがかかります。ただし大量の株が得られます。実生選抜や交配種の作出が魅力なので、時間とスペースがある方はチャレンジすると面白いでしょう。種子の採取は10月ごろになります。

〜植え替え〜
株へのダメージが少ない冬〜初春に植え替えを行います。用土は前述の通り水ゴケがベストなのですが、ベラボン主体の用土でも栽培可能です。当方では、水ごけ植え、ベラボン主体植えとなっています。ベラボンは5年程度腐らないと袋に記載されている場合がありますが、実際は3年程度で用土を変えてやった方が無難です。あまり古くなると腐って粘土のようにドロドロになります。植替え時、用土にナメクジの卵などが付着している場合も有るので丁寧に取り除きます。稀にカエルが冬眠している事もあります(実話)
(^^;
鉢底はごろ土を敷いていた時期がありましたが、最近はベラボン主体にしています。ごろ土にすると根先がなぜか茶色く腐る事があるからです。理由はよく分かりませんが、有機質にすると良いようで、水に浸かっても腐りにくいベラボンを鉢底に敷いています。

季節別に管理方法は以下の通りです。

春;
新葉が伸びてきます、また充実した親株は花を咲かせるため花茎を伸ばしてきます。このころはしっかり日光を当てて生育させてください。

夏;
引き続き日照は十分確保しますが、腰水の水温の上昇に気を付けてください。あまり水温が上昇すると根腐れをおこします。私のところでは
purpureaが夏に根腐れを起こして枯れた事があります。夏はまともな新葉にならず、平たい剣葉を出す株も多くなります(leucophyllarubra系が多い?)。

秋;
leucophylla系は再び新葉を伸ばしてきます。この時期もサラセニアの観賞価値が高まります。種子増殖させる場合、種子を忘れずに採取して下さい。

冬;
生育が休止します。当地の冬は寒い日は最低気温が-5℃まで下がりますが、平気なようです。時期として生育休止〜芽だし前にあたり、植え替え作業を行ってます。株分けの増殖も適期です。前年の捕虫葉は上半分が枯れこんでいる場合が多いと思います。当方では前年の捕虫葉は根元から5cm程度残して切り取ります。
purpureapsittacinaは葉が枯れていない限り極力切らないようにしています。枯葉を付けていると芽周囲の風通しが悪くなり、新葉が大きく育たなくなりますので注意します。

 

 サラセニアは原種は少ないですが、亜種、品種等が多数存在しますので、それぞれコレクションすると面白いかも知れません。海外では交配種でも原種を超えるような美しい品種が多数作出され、また国内でも一正園では古くからの国産交配種が入手可能です。ハエトリソウのようにアグレッシブな食虫植物ではありませんが、温室も不要で美しい捕虫葉を楽しめるサラセニアはおススメです。

 

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2017.1.1 改訂

To be continued...