我が家のDrosophyllumの栽培方法(秋播き)

 

 私がこの植物を初めて入手したのは3年前で、種子ではなく葉長5cmくらいの子苗でありました。食虫植物の本を読んだとき、まず独特の匂いを発するというのが気になり、また捕虫の数もすごいようで、とにかく入手できる機会があればと待っていました。それでは私がこれまでドロソフィルムを栽培してきた方法について述べてみたいと思います。

※私はドロソフィルムは主に初秋に播種しております。よって、ここでは秋播きとして話は進みます。なお、試験的に現在、春播きも少数ですが行っていますので、観察日記でいずれ報告したいと思います。

 

〜入手から播種前準備〜
 一般的には種子での入手が多いと思います。私も子苗で入手した後、予備的に種子を通信販売で購入しました。ここでは種子から入手したときの場合について述べていきたいと思います。種子の入手は1年中可能です。
 まず、種子を入手したらちょっとばかし手をかけます。まず種子に傷をつけます。傷のつけ方はいろいろあるんですが、私はやや細かめの粒度の紙やすりで削っています。どれだけ削るかと申しますと、黒い皮から中の白い部分が1mm見えるぐらい削ったらいいです。あまり削りすぎると発芽してから生育不良になるので気をつけます。種子を削ったらジベレリン処理をしたほうが無難です。ジベレリンの濃度が200ppmの溶液に1日漬けます。

 


写真から分かるように種子は2mmぐらいの大きさ

 

〜播種〜(晩夏から初秋)
 一日ジベレリン溶液に漬けた種子を水でよく洗い流します。播種床ですが、私は2.5号のポリポットと同サイズのジフィーポットを使いました。ジフィーポットとはご存知、苗を定植する際に植え替えないで済む(根がポットを突き破る)ピートモスが主体で出来ているポットです。用土は鹿沼土(小粒または微粒)とピートモスを適量混ぜた混合土です。そして用土を各ポットにそれぞれ適量入れて播種します。そして5mmくらい覆土をします。覆土をしない人もいますが、ドロソフィルムの種子の皮は堅いので土を被せたほうが発芽時に剥けやすいかと思ってます。こうすればまず皮を着けたまま芽は出してきません。播種後の温度として、だいたい15〜25℃ぐらいが発芽適温だと思います。ちょうど晩夏から初秋の夜の気温です。日照はもちろんよく日の当たる場所で、発芽時に水を絶対に切らさないように浅く腰水にします。詳細はこちら

 

〜幼苗期〜(秋・1年目)
 発芽は播種から約2週間から1ヵ月半の間になります。この期間に発芽しなくてもそのまま様子を見たほうがよいでしょう。発芽してくると二枚の捕虫葉が万歳するように伸びてきます。もちろん捕虫葉からすでに粘着液を出しています。この時期の管理が一番難しいのではないでしょうか?幼苗が捕虫葉を4枚まで繰り出してきたらそろそろ定植時期になります。気を付けたいのはあまり定植の時期が遅れると根が伸びすぎて今から述べる定植がやりにくいので気をつけましょう。この時期日照が不足するとすぐに間伸びするので気をつけます。雨には当てないでください。


発芽したドロソフィルム

〜子苗期〜(秋・1年目)
 子苗期はまず定植から始まります。ポリポットのほうが手間がかかります。ドロソフィルムはいろんな参考書に書かれていますとおり根が大変弱いようです(私は弱いことを確かめたことはありませんが・・・)。まず定植用の鉢を用意します。まあ鉢の種類は選り好みしないですが駄温鉢かプラ鉢、化粧鉢が無難なところでしょう。大事なのは深さがあることです。ドロソフィルムは根が長く張りますので深さ30cm以上あるのが理想です。そしてドロソフィルムは植え替えができません。だからいきなり子苗期からどでかい定植用の鉢に植えつけるんです。まず、ポリポットはそのまま植えても根がポリポットから伸ばすことができないのでポリポットをカットします。カットの仕方ですが、ポットの底の部分だけを切り抜くんです。丸く底の部分だけを切り抜いたら根鉢の底が見えますよね?よく苗が生長していればわずかな根が見えると思います。根鉢の底部分を崩さないように定植します。定植する用土の種類は播種床の用土と同じ種類が最適です。ただし用土の粒は荒めのものを使用します。一方ジフィーポットの苗はそのまま定植が出来ますので植え付けは楽です。植え付け後は表面の土が乾き始めたらすぐに水を与えればいいでしょう。ポイントは苗の株周りにたっぷりと水をやることです。根を新しい用土になじませるためです。腰水はしないほうがいいのですが、水遣りに自信のない方は腰水にしたほうが無難でしょうか。ただし浅目がいいです。もちろん日照はたっぷり当ててください。この時期に日照不足になれば花を咲かせてしまう原因になるので要注意です!引き続き雨に当てないでください。


2重鉢にするような感じで植える。(写真はジフィーポット植えの株)

〜中苗期〜(冬・1年目)
 日照十分で温度が十分であればぐんぐん生長するのですが私は晩夏に播種するのでこの時期は冬に当たります。なので生育は緩慢になります。水遣りは冬ですので用土の表面が乾いてからにします。寒さがあまり厳しいようであれば凍らないように保護しましょう。寒害がひどいと春からの生育に影響が出ることがあります。暖帯植物として扱うのが無難でしょうか??

 

〜中苗期そして親株へ〜(春〜秋・1〜2年目)
 本格的な春を迎えるとドロソフィルムは見違えるように生長します。本当に、1ヵ月経ったら「別株じゃないのかな?」という位です。秋に播種をして最初の春は順調に育っていれば、蕾は付けず大きく成長していきます。ただし、梅雨時期で日照不足に陥るとたちまち蕾をつけて花を咲かしてしまいます。まあ親株サイズに育っていれば枯れることはないのですが、花後は株のバランスが崩れて見栄えが落ちます。やっぱり一本茎でグングン大きくさせていくのが醍醐味(?)と思います。秋にはかなりの大株になります(長いものでは葉長40cm近く)。引き続き雨には気をつけてください。

 

〜2度目の冬越し〜(冬・2年目)
 播種から2度目の冬を迎える頃には1年前の株とは全然たくましさが違います。ですが、冬越しは霜が当たらないように気をつけます。中苗期と同じく、用土もなるべく凍らせないようにします。ドロソフィルムは最低温度が−7℃までは短時間なら耐えることが出来るようですけど氷点下はあまり好みません(葉が垂れます)。この時期は捕虫葉がやや赤みを帯びます。


シジミチョウを捕らえる

〜2度目の春、開花期〜(春・2年目)
 春になると新芽部分が盛り上がるように伸びてきます。よく見ると蕾らしきものが見えてきます。花茎は高さ40cmぐらいまで伸ばし、レモンイエローの花を多数つけます。花の寿命はやはり一日で昼前がもっとも開いています。花粉はたっぷり出て勝手に自家受粉します。花は花茎を何本も伸ばしながら長期間咲き続けます。新芽も多数伸ばしてきます。特に開花期は雨に当てないでください。受粉障害が起こることがあります。

 


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〜採種〜(夏・2年目)
 花が終わってしばらくすると緑色の朔が伸びてきます。順調に育っていればその朔は膨らんでいくのですが結実が上手くいかないと細いままです。このころもしっかりと株は日に当てます。1ヵ月ほどすれば種子が入った朔は茶色に乾燥してきます。しばらく放っておくと朔が裂けてくるのでこの頃採種するのがベストだと思います。1つの朔には種子が約5〜15粒入っています。

 

私の感想
 ポリポット植えとジフィーポット植えでどっちが生育が良かったといえば、、あまり大差がありませんでした、が、ジフィーポットは高い!ですので、私はポリポットを愛用してます。また、ドロソフィルムは発芽から定植までが一番難しい時期なのではないかと思います。その時期が終わればドロソフィルムは難しくありません!しいて言えば雨に当てないように気をつけるだけです。。雨に当てちゃうと2〜3日は粘液の出が悪いです。

ポイントとして、

が、挙げられます。一度成功すれば一株から大量に種子が取れます。みなさん、試してみてください、では。。

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