食虫植物と栽培要素(暖帯温室編)

 

 熱帯植物ほど高温で冬越しの必要はないが、戸外で冬越しする場合、凍結、霜降を嫌う植物があります。それが暖帯植物です。食虫植物で例を挙げると、ドロソフィルム、ロリデュラ、南アフリカ産ドロセラ、豪州産球根ドロセラ、他があります。これらの植物は温帯に自生するものですが、温帯の中でも比較的暖かい地域(日本で言えば下記地図の地域、該当地域でも寒波などの際は寒さから保護しないと寒害が発生する恐れ有り)では無加温で冬越しも可能と思われます。しかしそれ以外の地域ではこれらの植物を戸外で冬越しする場合、全くの無防備で栽培すると、冬季たびたび氷点下や霜が降りて、植物体が傷んだり、またはひどいと弱ってそのまま枯死する恐れが高いのです。これらの植物を健全に冬越ししようとすると、何らかの加温が必要となります。そこで暖帯植物を保護するフレームまたは温室を導入します。

 


赤色地域は比較的暖かい地域
(年間平均冬日≦10日前後)
気象庁データから。

 

 暖帯植物の冬越し温度は最低5℃程度を目安とします。暖帯植物の中でも球根ドロセラ等はあまり高い温度で冬越しさせると、夏が来たと勘違いして休眠する事もあり、必要以上の高温は禁物です。日中の温度も20℃程度で十分で、高温にしていません。
 筆者宅では次のような暖帯植物温室(フレーム)を使用しています。

サイズ
60×45×150(単位は各cm)、ビニール製フレーム。

熱源
250Wパネルヒータ

遮光
一部、50%遮光ネットで遮光。

通風
小型ファンをロリデュラを中心に当たるように設置しています。

上記設備により冬季最低6℃、最高25℃程度(快晴)を確保しております。この場合、管理として難しいのが温度上昇をどう抑えるかです。小型フレームなので冬でも快晴となると、ビニールを開けなければ30℃を越えてしまいます。すると日較差は25℃になってしまい、いくら寒さに比較的強くても植物は参ってしまいます。私の場合、その日の予想最高気温が8℃以上で晴れの予報の時は朝登校前にビニールを開けて行っています。夜帰宅時にビニールを閉めます。基本的にこの繰り返しです。雨、雪、曇りと気温がほとんど上がらない日は終日閉め切りです。

この温室に収納すると冬の間は球根ドロセラ、南アフリカ産塊茎ドロセラが元気に生育します。

 

 

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