我が家のDrosera indicaの栽培方法

 

 

 Drosera indicaは和名ナガバノイシモチソウで日本にも自生している食虫植物です。最近は学名が新たに分類されたようですが、私自身表題の種名での栽培歴が長く、しっくりくるのでDrosera indicaでこのページは通したいと思います。学術的なページではなく、栽培を楽しみたい方向けなので、あしからず。

 


サギソウの隙間で開花するD.indica

 

〜入手〜
JCPSのシードバンクで入手可能です。最近は産地名が表記された種子ではなく、花色が書かれているのみです。集会で一部の愛好家が夏に苗を出品する事がありますが、ごくわずかです。関西集会では私が出席すれば種子をほぼ毎回分譲に出しています。ホームページでも種子を分譲していますので、栽培してみたい方はお問い合わせください。

〜播種〜
 種子を入手したら、冬を待って播種します。凍結するような寒さの時期だと、なお良いです。用土は水ごけが適しています。愛好家によっては鹿沼土で栽培されているのも見かけますが、水ごけが一番安定しているように思います。ただし栽培場の環境はそれぞれ異なるので、あくまで参考程度にして下さい。用土を鉢のウォータースペースを残す程度まで入れます。用土の表面に種子を偏らないように万遍なく播きます。播種後、用土が凍結するように戸外に置きます。冬の間は日当たりは気にしなくても良いですが、発芽が始まる4月初めまでに日当たりの場所に置いてください。

〜手入れ〜
 気温が20℃以上になる4月中旬〜下旬ぐらいから発芽が始まります。発芽時、偏って発芽しても全部の株が過密で弱くなることはなく、強い株だけが残って大きく育ちます。下手に間引きする手間はありません。これまで遅霜に当たった事はありませんが、ゴールデンウィークぐらいまでは急に朝晩が冷え込む事があるので、霜注意報が出れば夜間は霜よけをしてやると良いかもしれません。置き場所は日当たりのいい場所です。1日6時間以上ぐらい当たると良いでしょう。高い湿度が必要という記事を他サイトで見ますが、私の場合は特に保湿していません。サラセニアやハエトリソウの水盤では腰水が蒸発していくので、その湿気で十分だと思います。また、雨にはしっかり当ててやります。雨に当ててやると株ががっちり育ちます。
水やりは腰水でOKです。雨がなかなか降らず、腰水が滞留する時は時々、上からシャワーにして水やりし、用土の古い空気など流してやります。株が小さいとき、草抜きで株を誤って根から抜いてしまった時、すぐに植え直してやれば活着します。親株はどうか知りませんが、小苗であれば移植の耐性はあります。
 順調に生育すれば7月初めごろから開花します。花粉が雨に当たれば種子が出来ませんが、次々と開花するので気にしません。花後、子房が膨らみ中の種子が黒っぽく透けてくれば採取の適期です。放っておくと種子がいつの間にかこぼれてしまうので、採取時期に気を付けます。早すぎても種子が早熟な事もあるので、採取の適期は実がやや茶色っぽくなってきた時が適期といえるでしょう(下写真参照)。
 8月下旬ごろから、株は生育のピークを過ぎ、背丈が高くなって倒れる株も多くなります。種子の採取は根気よく続けるとシーズンが終わった時、大量の種子が得られます。9月終わりごろになると夜温は15℃を切り、すっかり株は枯れてしまうものも出てくるので、株が枯れたのを確認してそのシーズンの栽培は終了です。

 

 


夕日に当たると群生する粘液が光り輝き、美しい

 


開花する
D.indica

 

 

季節別に管理方法は以下の通りです。

春;
発芽時期。日によく当て水を切らさないように管理します。遅霜に注意します。

夏;
ぐんぐん生育します。暑い夏ほどよく育ちます。種子がこぼれない内に確実に採取します。引き続き、日によく当て、水を切らさないようにします。サラセニアよりも日当たりが好き。


種子の採取適期となった実

 

秋;
9月に入ると株は生育ピークを過ぎて衰えていきます。株の背丈が高くなるので、支柱を立ててやると、もうしばらく生育を続けようとします。花が咲けば種子が採れるので、飽きずに採取します。

冬;
種子の播種適期です。我が家では1月に播きます。播種後は日陰でも構いませんが、3月いっぱいまでに日当たりに戻します。水は切らさないようにします。雨が降ると種子が水ごけの隙間に入っていきますが、ちゃんと発芽するので気にしません。

 

 サラセニアは原種は少ないですが、亜種、品種等が多数存在しますので、それぞれコレクションすると面白いかも知れません。海外では交配種でも原種を超えるような美しい品種が多数作出され、また国内でも一正園では古くからの国産交配種が入手可能です。ハエトリソウのようにアグレッシブな食虫植物ではありませんが、温室も不要で美しい捕虫葉を楽しめるサラセニアはおススメです。

 

 

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2017.7.15

To be continued...