我が家のDionaea(ハエトリソウ)の栽培方法

 

 本種が一番食虫植物の中で一般の人にも知られているのではないのでしょうか?「ハエトリソウ」「ハエジゴク」の和名があり、小学生の夏休みの自由研究のテーマにした覚えがあります。話が逸れますが、小学生の時、京都府立植物園で夏に食虫植物展示会が開かれるのですが、家からも近いので見学して係りの人に質問などしてた記憶があります。その時が一番最初の食虫植物と縁だったんですねぇ。。。
 (^^ゞ
という余計な話は置いておき、本題に入ります。私が最初に栽培した食虫植物が本種ハエトリソウでした。初めて入手した時はうれしくてわざわざ餌を与えたり突っついたりして枯れました。今思うと無茶な事をしたと反省です。入手は食虫植物では一番容易だと思います。夏になると(だいたい6月後半〜10月まで販売されている)ホームセンターの園芸売り場に登場し、いろんな年代層の人が買っていかれるようです。ホームセンターで販売されているハエトリソウは私の近所では伊勢花菖蒲園が多かったのですが、近年は大彰園、野々山園芸になっています。販売されているのは一般種がほとんどですが、一般種に混ざって捕虫葉の棘がサメの歯に似た「Sharks Teeth」と思われるタイプが販売されることがあります。

 では我が家の栽培方法をみていきましょう。

 


獲物を待つハエトリソウ

 

水やり
腰水栽培です。水深は2〜3cm程度です。ただし各々の鉢皿に水をためると夏場水が熱くなり株を傷めるので広いトレイに鉢を並べて底で腰水栽培します。

置き場所
ハエトリソウは日光大好きなので一番日が当たる場所に置きます。間違っても日陰に置くのはいけません。冬場は寒風が直接当たらないように風除けをすると春先の成育が良くなります。夏場は半日、日が当たる場所に置いています。

用土
一番生育がいいのが乾燥ミズゴケです。生水ゴケもいいのですが手入れが頻繁にできないとミズゴケが株元を覆って芽を腐らせてしまうので気をつけます。ベラボン(Sサイズ)とパーライトの混合土もよい。腰水栽培するので根ぐされしないようゴロ土を腰水の高さまで入れるのがコツです。腰水にミズゴケが直接触れないので用土が傷みにくい。

植え替え
 植え替えは株が休眠している早春に行います。そして植替え後に株をひどく凍結させない事が重要です。軽い霜程度なら問題ありませんが、用土まで凍るぐらいガチガチに凍結させると株が焼けて傷みます。時期は関西平地なら春分過ぎから4月始めが良いでしょう。
 作業はミズゴケ植えだと用土の寿命は1年なので毎年植え替えます。株数が少ない方にはお勧めです。古いミズゴケを株からすべて外し、新しいミズゴケで根を包むようにします。ただしミズゴケの繊維の向きは立て向きに揃えましょう。そうすれば根の伸びもよく水はけもよくなります。ミズゴケはニュージーランド産のAAAランクを使用しています。洋らん用で割高ですが一度使用したら、もう他のミズゴケは使えません。

肥料
いりません。

病害虫
たまにアブラムシが花茎につきますが指で除去します。農薬は極力使いたくありませんが、どうしても除去しきれない場合は農薬の登場です。ただし薬害の危険がほとんどない「オルトラン」を使用します。パラパラと軽く株周りに播くと次の日にはアブラムシがいなくなります。農薬は害虫の耐性をつけることもあるので頻繁に使用しないようにしましょう。

増殖
私は専ら植え替える際に株分けできるものは株分けして増やしています。他には種子からの増殖ができますし、冬に葉挿しして増やすこともできます。種子はすぐに取り播きしないと発芽能力を失いますので気をつけます。種子から親株に育てるには3〜4年かかるようです。ただし大量に増やせますよ。

冬越し
冬越しは比較的簡単です。自生地が温帯なので戸外で冬越しできます。冬は寒風が吹くので風が当たらないように保護すれば春先の成育はいいです。緑系は凍結させても地上部は残る事が多いですが、赤系はほぼ葉が枯れます。



※ハエトリソウは花を5〜6月ごろ咲かせます。花は白色で食虫植物の中では綺麗だと言えますが、花を咲かせて種子を付けさせると株が弱る事があります。種子を採種する予定がなければ花後すぐに花茎を切除するとよいでしょう。



Dionaeaの栽培風景

 

 

 

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2012.8.4改訂