京都府立植物園訪問記

 

訪問日;2011年07月30日

 

 1年ぶりに京都府立植物園を訪れました。3年ぶりに植物園のバックヤードを見学するためです。交友のある趣味家の希望でバックヤードを見学する事になりました。以前の担当技師さんは異動となって初めて現在の食虫植物担当の技師さんとお会いしました。以前は京都フラワーセンターに勤務されていた方です。
 14時半前に植物園に到着し、趣味家の方と落ち合います。ちょうど食虫植物展示会が開催されており、一通りチェック。低地性の品種が多いですがN.ビーチ「バリオ」やトランカータはさすがの出来栄えです。驚いたのは
N.トラスマディーエンシスも展示されていました。他はヨツマタモウセンゴケを中心としたモウセンゴケ類、ヘリアンフォラ(原種)、ハエトリソウやピンギキュラ等がありました。ムジナモは何気に花がらが付いています。
 担当技師さんと待ち合わせの時間となり、連絡をとりましてすぐに合流する事が出来ました。お会いすると気さくな方でした。展示品について趣味家の方と話を交えながら見学です。
 一通り、展示品の見学が終わり、久々のバックヤード見学です。まずは低地性ネペンテス温室です。こちらはネペンテスの栽培が熱心で主に国内交配種や基本的な原種をコレクションされています。場所柄、京都大学に近いので古都シリーズや古曽部系の株がずらりと並んでいます。並んでいると言うよりは吊っているんですけどね。
 次に、戸外に出てドロソフィルムやモウセンゴケ類が並んだ栽培棚を見学しました。ドロソフィルムは小苗ながら花芽が付いた状態であまり良くない様子。ドロソフィルムは繊細?なのか上手くいかないとの事。小苗で花芽がつくというのは日照不足が影響している可能性があります。猫にも襲われるようです。ビブリス.リニフロラもありましたが、株が小さく開花が間に合うかどうか。
続いて、サラセニア、ハエトリソウプールを見学です。ここはサラセニアが軽石系で栽培されており、株がややこじんまりした様子です。趣味家と話していましたが、やはり多少の有機物は必要で、ベラボン推奨です。
(^^;。ちなみに私もベラボン使っていますが、水ごけもおススメです(ただし高い)。一番の個人的なメリットは燃やせるごみに出せると言うこと。皆さん、古土の処分に困りませんか?
 人工交配種で、あまり世間に出ないサラセニアの交配種がいくつかありました。下写真にアップしたのは、S.「日の丸」。由来はよく分かりませんが、株姿を見てもあまり特徴的ではない・・・。同伴の趣味家はサラセニアが得意ですので、ビシバシ指導(?)がありました。
 最後に、高山性ネペンテスを置いている温室に入りました。高山性のネペンテスはどれどれ、と思ってみてみたら、ドリンク用冷蔵庫にN.ローウィーが入っているのみ!しかも生育は絶好調と言うわけでもなく・・・。以前は冷房ケースがあったのですが、どうも上手くいっていないようです。高山性ネペンテスは冷涼多湿が好まれ、日本の夏に再現するのはかなりの労力・費用が要ります。この辺はマニアな趣味家の方が栽培が有利なのかも知れません。財力の限り、好きなだけ力を注げますからね。
(^^;

時間も予定の16時を大きく過ぎており、担当技師さんにお礼を言ってバックヤードを後にしました。明日は食虫植物教室がありますのでもう1日、府立植物園を訪れる予定です。

このページを作っていて気づきましたが、写真あまり撮ってなかったな〜。。ムジナモ栽培ケースも見られず、またの機会に訪問してじっくり見たいと思います。

なお、バックヤードは一般の方には非公開なので、ご注意下さい。

 


N. xFine Koto




Heliamphora tatei




Nepenthes vieillardii  白袋タイプ




サラセニアの栽培風景




Nepenthes tentaculataの取り木


Sarracenia xHinomaru(日の丸)


 

コメント;久々に京都府立植物園のバックヤードを見学して、改めて貴重なコレクションの維持は大切であると感じた。特にネペンテスの交配種はここでしか見られない昔のガーデンシリーズ等で出てきそうな古い品種があり、今後も維持・増殖を期待したい。

 

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