京都府立植物園訪問記

 

訪問日;2008年08月24日

 

 1年ぶりに京都府立植物園を訪れました、目的は講演会があったからです。講師:河瀬氏、演題「ウツボカズラの古都シリーズ」でした。古都シリーズとは研究会でご存知の方も多いと思いますが、1970年代から90年代にかけて河瀬氏による人工交配によって生み出されたネペンテス交配種シリーズを指します。種類はざっと数十種類に渡ります、今でもJCPSや山田食虫植物農園、一正園などで古都シリーズの一部が販売されています。それぐらい有名な古都シリーズの話を聴けるのであれば、参加せずにはいられませんでした。
 植物園に着いたのが昼の1時前でした。途中京都駅で拉麺小路によっていたので少し遅くなりましたが、開演が1時半でしたので間に合いました。会場は植物園の会館でしたが暑かったので、会館の1階の売店・休憩所で一休みしていました。1階ではエビネの展示会もやっておられました。会場は会館の2階でしたが、人が居るかな?と様子を見てみると数人が並んでおられました。最大収容60名ですので、まだ余裕があり少しゆっくりしていました。13時過ぎに開場されたようで私も受付を済ませ、中に入りました。中に入る前にハエトリソウを1株頂く事ができました。時間通りに講演が始まり、古都シリーズの話オンリーかな?と思ってましたが意外とネペンテスの栽培方法を中心に話されました。講話の中でも幾つか勉強になったものもありました。今まで園芸をやっててホルモンコントロールとしてジベレリン処理ぐらいしか知りませんでしたが、腋芽の発芽を促す「ベンジルアデニン処理」というものがネペンテス栽培にも応用出切るとの事でした。勉強になるな〜。
(^^)。いくつか栽培方法の細かい所ではそれが絶対正しいとも思えない箇所もありましたが、ネペンテス栽培の基本とも言える置き場所、水やりから増殖、育種まで話されました。全体的には初心者向けよりかは中級者向けの講演となりました。レジュメもいただきまして、これまで河瀬氏が交配された大半の交配種リスト、古都シリーズリストも添付されています。後半はスライド写真も交えて話され、古都シリーズの代表種の袋、親品種の株が紹介されました。個人的な印象ですが、古都シリーズは全体的に袋がどちらかというと地味系ですが、トレメンドス.古都等マニア垂涎の袋を付けるものもありますので奥が深いと思います。古都シリーズは京都府立植物園で大切に維持されていますので、ぜひ貴重な品種の保存につとめられたらと思います。
 講演のあとは観覧温室内を久々に回りました。温室内では食虫植物展が開催されていました。その中でRoridula.gorgoniasが展示されており、何でも私が提供した株が成長したものと聞いた時は、元気に生育している姿を見てとてもうれしく思いました。植物栽培技師の方と食虫植物談話に花を咲かせてバックヤードを見学いたしました。閉演時間いっぱいまでお付き合いしていただきまして本当にありがとうございました。

 

 

  
  N. 'Fickle Koto'                        N. 'Facile Koto'

 

 
     N. 'Glossy Koto'            N. 'Extatic Koto'

 

  
N. 'Efflugent Koto'              N. 'Feminine Koto'

 

  
N. 'Fabulous Koto'           ムジナモ栽培場(バックヤード)

 

  
元気なムジナモ(バックヤード)              タヌキモ栽培(バックヤード)

 


コメント;上記で紹介した古都シリーズは園内のコレクションのほんの一部にしか過ぎない。植物園が京都大学から近いこともあって食虫植物研究会ゆかりの方々からネペンテスの提供、栽培技術の伝承もあるようだ。私はこの夏、いくつか栽培場を見学したが、その栽培場を見学する事で、自分の食虫植物の栽培技術を磨くヒントを得られたと思う。

 

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