兵庫県立フラワーセンター訪問記

 

訪問日;2011年01月16日

兵庫県立フラワーセンターを3年ぶりに訪問しました。食虫植物の聖地と言ってもいいでしょう。前回と一緒で加古川市内に数日滞在する仕事があったため、前日入りした16日に訪問しました。
予定では14〜16時ごろの訪問予定でしたが、当日は大雪で滋賀県内から発車する電車が遅れていた為、加古川駅に約30分遅れで到着。JR加古川線、北条鉄道を乗り継いでいきますが、ローカル線なので1時間に1本のみ。30分遅れると必然的に1時間後の電車となるわけです。なので、訪問時間は15時〜となりました

事前にフラワーセンターの食虫植物担当者の技師D氏とメールや電話でやりとりをしていまして、フラワーセンターに到着後、観覧温室の隣りの喫茶店でコーヒーを一緒にいただいていました。喫茶店内は暖かいですがフラワーセンター周辺でも雪がちらつき、寒さは厳しいです。D氏曰く、氷点下5,6度までは下がるようです。加西市は内陸なので冷え込むのでしょう。
最近のフラワーセンターの植物の状況や今年の食虫植物展の話などをしていました。今年は観覧温室の耐震工事をするため、いつもの食虫植物展のやり方を変える事になるだろうとおっしゃっていました。温室内で業者さんが耐震工事をされるので、植物の搬出や保護作業で忙しくなりそうとの事。展示方法なども考慮しなければならないようで、ただ植物を育てるだけではなく、来園者に魅せる展示方法も考えなければならないので、この辺はアマチュアと違った苦労があると思います。また、哀しい話もありました。最近愛好家による植物の盗難事件があったようで(ここでは詳しく述べません)、見つかって返ってきたネペンテスは冬の寒さの影響で枯死に至る大ダメージを受けた株もあったそうです。本当に腹立たしい話です。愛好家も良い人ばかりではないという事を実感しました。

話もそこそこにしてD氏に見せようと思って兵庫に来るまでにプリントした我が家の食虫植物写真を持ってきたのですが、その写真を駅のコインロッカーに預けたカバンに入れたままということに気づき、見せる事が出来ませんでした。残念。場所を育成温室に移動し、ドロセラ類などが収納されている弱加温温室を訪問しました。室温は確認していませんが、温室内はそれほど暖かいとは感じませんでしたが、ネペンテス.カーシアナなどが置いてあり、比較的低温に強いと言うことが分かります。冬にドロセラ.ビナタが生育しているのも見事でした。ビナタは外で冬越しというイメージがありますが、場所があれば温室内で生育させながら冬越しさせたほうが鑑賞価値がまた出てくると思います。

ロリデュラの大株もありました。我が家よりも立派です。ただ鉢はそれほど大きな鉢を使っているというわけでもないので、根はそれほど土の量を要求しないのかもしれません。
ドロセラ類の温室を観終わったあとは、お待ちかねネペンテス育成温室を案内していただきました。ここは国内で栽培されているネペンテスでもここでしか見られない貴重な品種が多いです。現地由来品も多いのが特徴です。さすがに冬なのでネペンテスの生育は本来のものではありませんが、ネペンテス.ペルビレイやネペンテス.クリペアタの大株は相変わらず見事です。ペルビレイは昨年の夏に鉢が転がって枝が折れたようですが、それを感じさせない見事な生育を魅せてくれています。

クリペアタの管理方法はまだまだ上手くいかない事も多いとのことで、水やりに苦労するとおっしゃっていました。

温室は冬は遮光ネットなしです。出来るだけ光を取り込むためです。また温室内は最低17℃弱ということでそれほど高温ではありません。ですが、真冬でもラフレシアーナやアンプラリア、ビカルカラータが立派な袋を付けていました。

温室内の電灯が点いているのが分かりますか?(写真上段左) 時間が16時を廻っており、真冬の曇り空だったので、写真より実際は少し暗い感じです。閉園時間近くまでお邪魔していました。
(^^;

夏の暑い時期に来て見たいと思いますが、実際に来れるかどうかはまだ分かりません。ネペンテスを観るなら夏が一番ですが。閉園時間が迫っていたのでD氏に別れを告げ、入り口に向かいましたが、なんとすでに門が閉まっているではないですか!時計を見ると16時59分。閉園時間は17時なので門を閉めるには早すぎます。門をそのまま乗り越えられないことも無いですが、明らかに不審行動になるのでフラワーセンターの事務所に電話をかけ、門を開けていただく事にしました。雪が降って寒いですが門の近くで待ちます。しばらくして女性職員2名がやってきまして門の鍵を開錠してもらいました。職員さんは平謝りでしたが、天気も雪でお客さんはもういないと判断されたようです(確かに私以外に客は見ていなかったなあ)。タクシーで北条町駅まで行く予定でしたので、職員さんがタクシー会社に電話をしていただけました。タクシーは門の先の入り口付近に来ますよ、と言う事で門のところでお別れしました。入り口に向かいましたがなかなかタクシーは来ませんでした。雪も吹雪いてきて寒かったですが、しょうがありません。折りたたみ傘もコインロッカーに入れたままで、雪は直接降りかかってきます。寒いと思っていたところに先ほどの職員さんの一人がクルマを走らせこちらにやって来ました。「寒いですし、クルマの中で待ってて下さい」との事。ジ〜ン、、サプライズでしたが、とてもうれしかったです。さきほどの門の閉じ込めの罪滅ぼしかもしれませんが、思いがけない気遣いがあり、うれしく思います。やがてタクシーが来て今度こそお別れしましたが、今回はフラワーセンターに対し怒りは全く無く、むしろまた来たくなる対応をしていただきました。植物園は植物も大事ですが、そこで働く「人」がやっぱり大事ですね。


育成温室内部。冬は遮光なし。







N. pervillei







N. clipeataの果実



N. clipeata



N. melliriana






















 

コメント;個人的にはD.binataがとても美しく見えました。暑い夏にまた来たいですね。

 

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