Drosera indicaの観察日記 2

 

前回のDrosera indicaの観察日記が2004年でした。ずいぶん間が空きましたが2016年は3月に東京勤務も終わり、4年ぶりにオールシーズン自分の手で栽培出来る事になったので、久しぶりにD.indicaの観察日記を付けたいと思います。2004年の時は開花して結実したものの、結局開花写真が載せられなかったという中途半端な終わり方になったので、今回は開花、結実までお届けしたいと思います。今回観察日記を付けるD.indicaは赤花種なので、2013年よりD.toyoakensisが正式名称なのですが、食虫植物愛好家からはあまりこの名前で呼ばれることがありません。ここでは一般的に認知されているD.indicaで記載したいと思います。





入手
入手先はJCPSのシードバンクだったと記憶しています。豊橋産の赤花種です。

播種
2004年当時は株元の加湿を嫌うという情報があったので、砂利系で栽培していましたが、どうも我が家の栽培場との相性が悪いようで、発芽するものの大きく育つ株数の割合が低かったので、10年ぐらい前から水ごけ植えで栽培しています。12月末〜1月初めの年末年始に播種する事が多いです。播種の仕方はたっぷり水を含ませた乾燥水ごけの表面にパラパラ播くだけです。種子の寿命は長いようで、冷蔵庫に入れなくても3〜4年前の種子でも発芽します。

 

発芽
16.4.10
発芽しました。ごく小さいので普段、栽培場のマクロ撮影では手持ち撮影が多いですが、三脚を使って撮りました。


発芽





成長
16.5.22
発芽して1か月ちょっと。発芽が揃い、株によっては捕虫活動を早くも初めてものがあります。






成長2
16.6.11
上の画像の約3週間後のようす。今年は暑い日が多く、旺盛に生育をする
D.indicaです。分かりにくいですが右側の大株は早くも蕾を付けています。葉長は約4センチ。他の株たちもスピードはゆっくりですが、生育しています。




こちらは駄温7号平鉢で群生仕立て栽培を目指している株のひとつです。こちらの株は蕾の写真が撮れました。開花にはまだかかりますが、今月中には赤い花を咲かせるでしょう。


発蕾

 

 

開花
16.6.18
開花しましたが、花を見る事が出来ませんでした。続々と蕾を付ける株が増えてきているので、花を見られるのは時間の問題でしょう。今年は随分早い初開花となりました。



 


サギソウの株元で生育するD.indicaも蕾を付け始める

 

開花・結実
2016.7.2

開花が頻繁に見られるようになりました。また、結実しはじめたものがあり、しばらくするとごく小さな黒い粒の種子を収穫する事ができます。

 

 

 

開花
2016.7.16

毎日開花するようになりました。花が咲く時間は短く、朝8時〜昼12時頃までです。午後になると急速に花は閉じてしまいます。花弁の数がめずらしい(?)7枚花です。通常は5枚です。
この観察日記は、開花し種が採れるまでと思っていましたが、まだまだ生育期間はありますので、株が枯れるころまで更新したいと思います。


7枚花

 


通常の5枚花

 


サギソウとの寄せ植え。紅一点で美しい。

 

 

開花
2016.8.7

今年は夏が暑く、D.indicaは旺盛に生育しています。


6枚花弁

 

 


通常の5枚花弁

 

 

開花
2016.8.20

8月も下旬になろうとすると、そろそろD.indicaは生育のピークが過ぎて、一部では枯れ始めるものが出てきます。主に6月から開花しているものが早く生育を終えます。株の寿命でしょう。

 


種の収穫ピークを迎えます。

 


遅めに(5月ごろ)発芽したものは、まだまだ大きく生育

 

生育終盤 
2016.9.11

9月に入ると秋めいて日中、35℃を超える事がなくなります。旺盛に生育していたD.indicaはシーズン終盤を迎えます。種は紙コップに入れていますが花がらがいっぱいです。種子は、小さじ一杯以上は採れたと思います。コップ底の右下灰色の部分が種子です。

 


秋の陽射しは夏より弱くなり、生育が次第に衰えます。

 


大量の種子が得られました。来年、この種を使って株を新たに育てます。

 


総括:
Drosera indicは猛暑のおかげで良好な生育をしました。種子もまずまず採取出来て、二度とぶちまけられないように、家族の手の届かない所で保管します。これでも、種子の量はまだまだピークの年には及びませんが・・・。
今回の観察日記はこれにて終了します。種子の一部は集会等で放出予定です。
(^О^)

 

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